ぐんま自動車運転リハビリテーション研究会の活動

 群馬県での自動車保有台数と自動車運転免許保有率は全国有数の高水準となっており、人口当たりの交通事故件数や負傷者数は首位となっています。自動車事故に伴う脳挫傷例は数多く、一方若年での脳卒中発症年齢は増えてきています。これらの後遺症により身体障害や高次脳機能障害を抱え自動車運転が不可能となり、仕事の業務は可能でも復職に難渋する例は頻繁に見られています。

 特に高次脳機能障害者を対象とする運転再開の支援については、東京などで研究会がしばしば開催されるようになってきましたが、群馬県内からの参加は少ない状況です。そのため積極的に運転再開を支援している医療機関と、運転再開の助言を殆どできずに主治医や行政に転嫁してしまっている医療機関との格差は大きなものとなっています。また行政で行う自動車運転の適性検査の制度は、てんかんや睡眠時無呼吸、肢体不自由などの病態を想定しており、高次脳機能障害には対応できていないものです。

 上記の問題を解決するため、自動車運転再開に向け県内で統一した支援方法を確立し、地域によっては病院連携も計り、県全体で標準的な支援が行えるようにしていくことを目的としています。教習所では、身体障害に適した改造装置への対応や、高次脳機能障害を踏まえた実車教習などが可能となるように目指していきます